スマートエデュケーション

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本研究室では、スマートエデュケーションをキーワードに、教育環境の新しい形を研究していきます。

これまでにiTLの学生が扱ってきた研究には次のようなテーマがあります。

  • 防災・減災教育(減災伝承AI)
  • 情報セキュリティ教育
  • IoT機器による教育(ルワンダ)

防災・減災教育(減災伝承AI)

災害の記憶や記録の伝承に生成AIを活用する取組です。日本の各地で作成されている災害記録誌や地域防災文書を収集し、発災時に何を注意するべきか市民・行政双方の立場に役立つようにする試みです。記録誌のデータを抽出してベクトルデータベースに登録し、Retrieval-Augmented Generation(RAG)により発災時に注意すべき情報を提示します。

もともと須藤先生の東京財団政策研究所のプロジェクトの中で静岡県静岡市で市民・行政の方にもご参加頂いたワークショップを2年間にわたり実施してマルチステークホルダープロセスを意識した開発を進めました。

その後、静岡大学 望月先生、辻本先生の研究プロジェクト「伊豆半島沿岸域における津波対策に関する研究-地域社会学・民俗学の視点から-」の中で静岡県西伊豆に合わせた進化版を作成しました。民俗学の先生、社会学の先生からの異なる学術分野からの目線で助言を頂き、その土地に根ざした伝承のあり方を模索しています。単純にAIにデータを与えれば済むわけではないという所に難しさとやりがいがあります。

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情報セキュリティ教育

情報セキュリティの被害に遭ったことのある人は実はかなり多く、若年化も進んでいます。 小学校から高校の「情報」の授業までで、決して扱いが大きくない「情報セキュリティ」をどのようにして伝え、行動に移してもらうべきかを研究しています。 ノベルゲームエンジンと生成AIを組み合わせて、学習者の反応に合わせた表現・展開ができるように研究を進めています。

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IoT機器による教育(ルワンダ)

ルワンダでは、プログラミング教育の必修化により「言語に頼らず、わからないという苦痛なく、問題解決能力を育成することは可能か?」という問いが生じています。

そもそもルワンダ (Rwanda) というアフリカの国になじみのある人は多くはないかもしれません。 それでも、ルワンダ中央銀行総裁日記 (https://www.chuko.co.jp/shinsho/2009/11/190290.html) を読んだり、アフリカ大陸に興味のある人であれば、実は日本とも縁があることをご存じでしょう。

ルワンダの小学校では、母語でない英語でのプログラミング教育が必修となりましたが、機材の不足も相まって、この対応に教員も児童も苦労しています。

2020年に、日本から長年ルワンダの教育に貢献している杉山竜一氏を代表として教育実践研究学校であるルワンダの教室「Keza Learning Compass(ケザ・ラーニング・コンパス)」が開所しました。

コンパスでは、冒頭の問いに対する答えをルワンダと日本で協同して探求しています。

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本研究室では、コンパスをよりよくするために、カリキュラムの改善について研究をしてきました。 例えば民生用のドローンを使った教材を作成し、カリキュラムに不足する内容を補うといったことを行ってきました。

今後、日本においてもプログラミング教育必修化の影響で苦労される教員の方や児童を支援する教育パッケージとしていくことも視野に入れた研究を進めて行きたいと考えています。

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(画像はケザ・ラーニング・コンパスの許可を得て転載しています。)